天然なめこ
天然のなめこは夏から晩秋まで、広葉樹特にブナの倒木や切り株に群生する。栽培したなめこに比べ、色が濃くとても大きくなり、カサの直径が10 ㎝にもなるなめこも少なくない。少し土臭さがあり、独特のぬめりと歯ごたえがおいしい。
鮭川村のなめこ
山形県のなめこ生産量は長野県に次いで、全国第2位(平成22年度)。市町村別では、鮭川村の生産量は全国第一位(平成21年度)。鮭川村で生産されるなめこのほとんどは「菌床なめこ」といい、おがくずなどを詰めたプラスティックビンで生産される。
熊谷篤雄さん
「26歳から30年以上きのこを作ってきました。昔は今のような空調が管理された環境で育てるのではなく、トロ箱におが屑をいれて、林間に持って いくような生産方法でした。それから袋栽培になり、一五年ほど前から今のようなビンを使う栽培方法になり、機械化も進みました。」
「農協を通じての出荷が中心ですが、鮭川産は足(軸)が短くて、つぶが充実しているので評価されています。また水分量が少ないので日持ちがするのも鮭川産が好まれる理由となっています。」
「関東方面では小粒が好まれ、東北方面では大きめのMサイズが好まれます。やっぱり食べるならMサイズの方が美味しいかな。モロヘイヤやオクラと混ぜてめんつゆで和えたものをご飯に乗せると美味しいですよ。」
現在、「株どりなめこ」という新しい商品にも取り組んでいる。
鮭川村には大規模になめこの菌床栽培を行う「農事組合法人 オークファーム」もある。おいしい山形プラザのサイトで紹介されている。
原木なめこ
鮭川村では木の根坂地区他、数カ所で「原木なめこ」の生産が行われている。ブナやナラ、ソネ(シデ)などの原木に直接種菌を植え付け、少し光の入る林の中に寝かせ、三年ほど継続して収穫する。9月から11月が旬。
原木なめこはぬめりが違うとのことで、芋の子汁に原木なめこを入れると、里芋のぬめりとなめこのぬめりで美味しく食べられる。
なめこは石づきを落とし、水に数時間漬けた後に洗うとゴミが取りやすい。
またなめこは冷凍保存が可能で、味噌汁を作るときなどは冷凍のまま沸いたお湯に入れ、そのまま強火で調理します。きれいにゴミなどを取ってから、食べられる量に小分けして冷凍するのが保存のコツ。